農地転用と太陽光条例

農地転用といえば、農地法4条申請や5条申請を思い浮かべる方も多いと思われます。

4条申請とは、農地を転用する際に所有権などの権利の移転や設定がない場合です。

例えば、自分の農地に家を建てたり、駐車場にしたり・・・

5条申請とは、農地を転用する際に所有権の移転や賃借権などの設定を伴う場合です。

例えば、農地の使用収益をする権利等を持っていない者が、農地を買い受け、あるいは賃借し、宅地に変えて住宅等を建築しようとする・・・ただし、採草放牧地を、農地に変更するための権利移転等については、農地法第5条の適用はありません。

4条も、5条も都道府県知事の許可が必要になります。

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さて、5条申請をして太陽光パネルを設置するケースがあります。

和歌山県では、太陽光発電施設の設置をする場合に、50kW以上の場合は和歌山県の太陽光条例の申請を行う必要があります。

また50kW未満であるが、和歌山市、橋本市、新宮市、古座川町、串本町、那智勝浦町、紀美野町の7市町村で設置を検討されている場合は、当該市町村への申請が必要です。

太陽光条例とは、正式名称は和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例で平成30年3月23日公布されました。

対象となる太陽光発電事業は、合計出力50kW以上の太陽光発電設備を設置し発電する事業です。 

※ただし建築物の屋上等に設置されるものを除く

※合計出力は、太陽光パネルの合計出力とパワーコンディショナーの出力の小さい方とします。

手続きは、以下のようになります。

まず事業者が自治体と協議し、関係自治会への説明→事業計画の公表→認定申請、知事が認定をしたら、工事に着手できるという流れです。もちろん知事が不認定をする場合もあります。

この太陽光パネル条例ですが、都道府県条例は8条例、市町村条例は264条例(令和6年2月現在)ございます。

都道府県条例は、兵庫県、和歌山県、岡山県、山梨県、山形県、宮城県、奈良県及び長野県の8条例です。

和歌山県ではさらに和歌山市、橋本市、新宮市、古座川町、串本町、那智勝浦町、紀美野町の7つの市町村条例があります。

以上のように、和歌山県で農地転用をして太陽光パネルを設置する場合、農地転用の手続きと太陽光条例の申請手続を同時並行で行う必要があるのです。